ドキュメント冬コミ

全ての人に、それぞれの冬コミがあった。
しかしその全てを記すためにはあまりにも時間が足りない。
よってTKという男の場合を記すこととする(笑)。

28日夕方、東京出発の日

遂にこの日も大陽出版から本が届かなかった。3回目の問い合わせの電話を掛けると「自宅配送分は明日届きます」ということであった。

「明日はもうイベント始まっているんですが。でもどうしようもないんですよね、明日しか」
「ええ」
「分かりました。じゃあ明日なるだけ早くお願いします」
「では午前中配達にしておきます」

そういうことで急遽メンバーに連絡する。

「悪い、先に行っててくれ。後発隊の2人(Tommy & AKIRA君)と一緒に後から行くから」

さて、コピー誌製本とCG集パッケージが終わると、本を待つ以外にする事が無くなったので、銭湯に行きゆっくり湯につかりつつ考える。

「どんな結果になるかなあ今回・・・・・」

少しは寝ておこうと思うも、もし本が来なかったらと思うと物音に敏感になり全然眠くならない。結局2時間目をつむっていただけとなる。

29日午前9時

遂に「魔法少女R」が到着する。さっさっと目を通す。
「うん、ジェミニと同じく細かいトーンがとんでるな・・・。グラデーションもちょっと・・。でもまあ、大きなミスは無い。OK!」

15時頃名古屋発、高速をTommy君のパルサー号で突っ走る。21時頃東京到着。

久々のPKW邸で雑談などを交わす。魎氏は黙々とTシャツアイロンがけを続けている。昨日ほとんど寝てないので、今のうちに少し仮眠しておこうと思うも、特に眠くならないので横になっているだけで体が休まったこととする。2時頃まで喋っていたがサークル入場組(私、kai、PKW)は4時起き(注、ここは埼玉県)なのでそろそろ寝る体制に入り、消灯する。しかし、私は相変わらず全然眠くならないので2時間ほど目をつむっていただけとなる。

4時になったので皆を起こす。4時半頃出発、一路有明へ。5時20分頃到着、しかし、駐車場の前に「駐車券のない方は駐車できません」という看板が立っていたので愕然とする。たしかアピールには今回大きく駐車場が使えるようになった、とか書いてあったはずなのに・・・。

とりあえず、ゲートを通り過ぎると同じような仲間がハザードランプを焚いて2〜3台途方にくれている。結局その内の1台が出発したので「これに付いていけば何とかなるだろう」というkai君の判断で後を追う。すると同じ考えであろう他の車も続々と金魚のフンのように付いてくる(笑)。結局先頭のワゴンは、しばらく右往左往した後、どこにも入れず路駐して考え始めたので後続車はバラけてしまった。我々は結局もとの駐車場にダメ元で突入したら、そのまま入れて拍子抜けした。あのワゴンはどうしただろうか・・・幸運を祈る。

さて、kai & PKW君は「しばらく車で寝る」とのことであったが、私は相変わらず眠くなかったのでコミケ早朝ウォッチングへ行くこととする。で寒いなか3時間ほどあちこちを歩き回る。圧巻だったのは一般待機列!(まだそんなに多い方じゃなかったと思うが)「こ、これが10万人というものか!!」と、「風と共に去りぬ」の野戦病院シーン的な視覚効果にググっと来るものがあった。

あと、歩いているうちに財布から千円札の束を落とした人がいたので、拾って追いかけ渡す。
「うむ。今日は朝からいいことをしたので幸先がいいわい」と、少しいい気分になる。

時間になったので順調にサークル入場。配置は「CG集・ゲーム」、隣も両方創作CG。そこへ天から舞い降りてきたかのように場違いな「オリジナル創作本」「サミー18禁本」を並べだす(^^;。ディスプレイなどもうまく行き他に問題も無く、開始の拍手が轟きわたる。

時は10時

チェック表を片手に駆け巡る第一陣の人波からは、全く見向きもされないまま時間だけが過ぎていく。「すたじお・疾風」は知名度がないからしょうがないか・・・と思うも文字通り見向きもされないのはチト悲しい。ポツポツ見に来る参加者も隣のCGから隣のCGへと視線が飛んでいて、本は興味がない様子。そんな中、第一号のお客さんは「ジェミ1〜3」をまとめて購入。とりあえずホッとする(^^)。

さて、11時を過ぎてもさっぱりお客さんがつかない・・・。後ろを振り返って男性向け創作の方を見ると人も通れないような大混雑。それに比べるとこちらは全然余裕あります。っていうか人もまばらな感じ・・・。ポツリポツリと売れ出すも、基本的にお客さんが立ち読みしようとしない(人がつくと人を呼ぶのだ)読んでみなきゃ面白いかどうかも分からないだろうに。11時半を過ぎた頃に今日は「負けだな・・・」と覚悟を決める。売り子を一緒にやってたkai君は「店番は1人で大丈夫でしょう」と言って本を買いに行く。

1人でスペースに座ったまま「本作りは頑張ったんだけど、結果が出なきゃどうしようもないな・・このペースで一体何冊売れるのだろう?まさかこのまま終わるのか?」などと思ってるうちに12時を過ぎ本格的に混雑が始まる。ここで、魎太郎、AKIRA、レスピーギ、Tommy君が入場してくる。

「どうですか?」
「絶望的・・」

という会話をしたあと、Tommy君とレスピーギ君が売り子を手伝うことになる。この時間帯になると、さすがに1人2人と読んでいくお客さんが増え、本が売れ出す。12時半〜13時半くらいの間は以前と同じ位のペースで売れていき、

(ああ、これで少しは何とかなりそうだ・・・)

という気になるが、売れるのは主に「ジェミ3」で「R」の方はさっぱり売れない。ごくたまに「R」だけ買っていく人もいるが、それはほんの少数だった。

13時半を過ぎると、またまた客足が途絶え始めた。
その間もCG集はサクサク売れて、14時頃完売する。さすがCGスペース。
「R」を買ったお客さんから「ぜひ続きをやってください」とか言われ、嬉しくなったりもする。

14時半。
ピークは過ぎたと思った私は今後のことなども漠然と考えつつ売り場を任せて会場を一巡りした。が、男性向け創作の方は混雑しすぎて入って行けなかった。回ろうと思っていた友人知人のメモを忘れていた私は漠然と歩き回ったが、相変わらずコミケらしいわいということで、それなりに雰囲気を満喫する。もはや大いに売るという野望は、自分の立場を客観的に分析するという達観モードに変わる。

だいたいこの間までに

DEARNAさん
たなけんさん
あしべさん
アルラウネさん
パワーマンさん
タケポンさん
おりもとみまなさん
TOMOちゃんさん
等々、他に名を名乗らなかった方たちの訪問を受ける。
(留守にしていた時の方、申し訳ありません(謝))

遂に時間は15時・・・。
まだ1箱目がなくならない状況に、本日の完全敗北が明らかとなる。

フルチャージされた8箱の在庫を車に積むために、少しづつ運び出す撤収作業が開始される。重い・・・なんて重いんだ・・・。前日「3000冊が残ってどうしよう・・・」とかいう同人誌のギャグ漫画を見て笑っていたら、自分の身に1900冊の在庫が降りかかってくることとなった。げに恐ろしきは因果応報の理なり(チト違う気もするが・・)。

さて、そのままもう一度ピークを迎えることも無く16時でコミケ終了。拍手をレクイエムとして聞きつつ我がコミケット55は終わりを告げた。

帰りのラッシュに揉まれながら車に計11箱のダンボールを積んでTK、kai、PKWが車で撤収、残りはそのまま電車で新宿に遊びに行く。後部座席に座って疲れた体を横たえると、猛烈な眠気が襲い掛かってきた。とても起きてはいられないほどで、

(ああ、これが緊張の糸が切れたってヤツか・・・)

などと思いつつそのまま堪らず寝てしまう。2時間ほどしてPKW邸へ辿り着くも、眠気は収まらずベッドを借りて爆睡する。今はとにかく眠かった・・・・。

ところでこの事態にメンバー内では
「TK氏がショックを受けて寝込んだ」
「TK氏がフテ寝した」
等々の良からぬ印象を与えてしまったようで、その辺は私の不徳のいたすところです(^^;。いや、私はこういう事態を想定してなかったわけではないので、そりゃがっかりはしましたけど、大丈夫なのです。実際私は不機嫌ではなかったと思いますが・・・不機嫌じゃなかったので。一応社会人10年以上やってますし(^^)。うまく行かない事態に対する耐性はあるのです。

翌日、トータルで13時間くらい寝た私は、魎太郎、Tommy、PKW君と池袋サンシャイン60見学などをしました(マンボウ思ったより小さかった・・・、ナンジャパーク面白そうだった)。帰りの車の中で除夜の鐘を聞いて深夜1時頃名古屋に到着。kai君と合流して車に積んであったダンボール11箱を部屋に下ろす。片方の部屋が一杯となる。

時間は元旦早朝3時。

kai君も帰り、一人で部屋へ戻る前にポストを覗くと封書が一通入っていた。部屋で開くと通販の申し込みで「パピポ12月号を見て申し込みました。通販されている本のリストを送ってください」と書いてあった。

さ〜て、またいっちょやったるかい!!